新世代Roguelike「Dwarf Fortress」入門(2)

(下の記事の続き)

Dwarf Fortressを初めてプレイする際には、まず世界をランダムに生成する必要がある。貴方は今、あっそう、と思って鼻糞でもほじっていることと思うが、ここで生成される世界は、常識外れに巨大で豊穣なものだ。Pentium4 2.4GHz、RAM 1GByteの私のマシンでは、世界を生成するのに丸々10分かかり、生成された世界を保存するのに5分かかる、と言ったらそのすごさが少しは伝わるだろうか。

世界を生成している間、ゲームエンジンは何をしているのかって? それは、土地の隆起と陥没を決定し、気候を定め、河川を流し、湖を形成し、植生、地勢、野生動物の分布を決めて、歴史と伝説を蓄積しているのだ。また、複数の敵対する文明と何十もの都市と何百もの洞窟も作っているのだ。これは与太話ではなく本当のことだ。この画面を見ればわかるだろう。

世界生成中画面(  

こうして生成された世界は、何ゲームにも渡って使い続けることができ、その間に建てられた建造物や生まれた伝説は当然、捨て去られることなく世界の中に蓄積され続ける。また、ドワーフの要塞(Dwarf Fortress)モードで築き上げた基地を、冒険者(Adventurer)モードで訪問したりすることも当然可能だ。

世界を生成したら、まずは「ドワーフの要塞(Dwarf Fortress)モード」か「冒険者(Adventurer)モード」のどちらかでゲームを始めることになる。「捨てられた要塞の再生(Reclaim Fortress)」モードは、少なくとも一度要塞を放棄していないと選択できない。

ドワーフの要塞」モードのスキル選択画面(  ) 採掘や伐採から、石鹸作り、動物調教、料理まで60種類近いスキルがある。

「冒険者」モードのゲーム画面(中央の@がプレイヤーキャラクター。この辺はいかにもRoguelike RPGだ。)

……とここまで書いてきて思ったのだが、こんな調子でやっていたのでは、本当にここがDwarf Fortressの入門サイトになってしまう。なので、興味を持たれた方はぜひDwarf Fortress Wikiなどを参考にして、自分でゲームをプレイしてみていただきたい。すごく面白いから。
現在の段階では、より細かく作りこまれて完成度が高いのは、ストラテジーゲームである「ドワーフの要塞(Dwarf Fortress)モード」なので、ローグライカーもまずはこちらから入門して、しかる後に「冒険者(Adventurer)モード」に進まれることをお奨めする。ちなみに「冒険者(Adventurer)モード」は、様々な街などでクエストを受けたり仲間を募ったりしながら世界各地を探索し、強敵を倒すなどの冒険をして伝説を作るといったゲームで、特定の最終目的は存在しない。

今後の記事では、このDwarf Fortressの幾つかのゲームシステムを取り上げ、それがRoguelikeゲームの歴史にとってどのように位置づけられるかについて考えてみたい。