溜まり場でいじられまくり

仕事を終えて深夜家に帰ってみると、溜まり場に自分への批判がいっぱい書いてあった時の気分というのは、かなり素敵なものだ。これからはセクシーギャルに感情移入してプレイできそうです。別に能力値も高くないんだけどさ。

まず、文章の品が悪くて(攻撃的過ぎて)すごく反感を買っていることは良くわかった。これは私が悪い。自業自得だ。
それから、こいつ馬鹿じゃねーの、みたいな印象を多くの人に与えていることもわかった。これも自業自得だ。
そして、ここに書いている内容についての批判としては、

  1. 自分の好みに過ぎない独りよがりの意見を、一般的真理であるかのように書くな。
  2. わざわざ語る価値もないようなくだらないことを、長ったらしくくどくど書くな。
  3. ゴタクを並べてる暇があったら、動くものを速やかに作れ。万一面白ければ遊んでやるから。

の三通りかなあ。
私だってとっとと動くものを作りたいのは山々だけど……
その前提として、何が面白くて何がつまらないのか、それは何故なのかを自分の中で納得できる形にして、それに基づいて色々な方向性を考えたいのだ。そうじゃやり方もあるのかもしれないけど、私はそうしたい。なぜなら、ごく細かい仕様が意外な所で本質的なゲーム性に繋がっていたりということが結構あるものだから。

いずれにせよ、私が一番痛かった批判はこれです↓

803 名前:名@無@し 投稿日: 2007/04/25(水) 00:11:45
>>740の人が書いている事なんてゲームをやる人間なら大抵考え付くような事だしな
ようは作業量に見合わないから誰も作ろうとしないだけ
その上個人で作るとなると途中で放棄するのが関の山

これはたぶんすごく当たっているんだろう。私がここに書いていることなんて、実は玄人筋の間では常識なんだと思う。そして、何かもっともな理由によって実装されていないだけなんだと思う。

ただ、その実現されていない理由の方がまだ私にはよく飲み込めていなくて、本当に803の方が言うように工数の費用対効果の問題なのかなあ?「*bandの面白さを発展させ、欠点を解消した新たなRoguelikeを作る」というほどの野心的な試みがもし成功するものならば、その成果物が投入工数に見合わないなんてことはないと私は思うんだが。
でも確かに、かかる工数の絶対量としては「個人で作るとなると途中で放棄するのが関の山」なのかもしれない。そこを軽視してはいけないですね。

いずれにせよ私の位置付けは、「分かりきったことや独りよがりの意見を、偉そうな文章で長ったらしく書いているくせに、動くものは何もうpしないイタい奴」って感じか。たぶんその通りなんでしょうね。まあ当面はそんな感じでやっていきますので、今後ともよろしくお願いします。

 個々のダンジョンは枯渇しても良いはず

もう夜遅いので、今日はごく短く書きます。詳しくはまた後日。

  1. *bandでは、アイテムの蓄積や能力値の向上が重要だ。
  2. だから、アイテムを集めたりキャラを鍛えたりする機会が多く必要だ。
  3. だから、アイテムや経験値の供給源であるダンジョンが「枯渇」してはならない。
  4. だから、ダンジョンを出て入るたびにダンジョンが作り直される仕様にする。

もしこれが*bandのコンセプトなのだとしたら、私は(3)までには同意するが、(4)には同意しない。(4)の決断は結局のところ、「アイテム不足の問題は、ダンジョン出入り型のスカムをすることで解決してください」とプレイヤーに勧めているに等しいと思うからだ。

たしかに(1)から(3)の論理は正しく、*bandにおいてダンジョンは枯渇してはならない。しかし、枯渇してはならないのは、プレイヤーに対する資源供給源として世界内に存在するダンジョンの総体なのであって、一つ一つのダンジョンや一つ一つのフロアは、別に枯渇しても構わないし、むしろ枯渇した方が面白いはずなのだ。

私が何を言いたいかというと、MoriaやAngbandはダンジョンが一つだけだったから、ダンジョンを枯渇させないためには(4)が必要になったが、十分に多数のダンジョンが世界内に存在しさえするならば、あるダンジョンのあるフロアが、ある時点において枯渇していたとしても、それは何ら問題ではないということだ。そしてダンジョンの枯渇を許すならば、むしろ積極的にあるダンジョンのあるフロアを枯渇させること、すなわち、ダンジョンを「制圧」し「制覇」し「掃討」するという楽しみ方が、固定クエスト以外でも、あらゆるダンジョンで可能になるはずなのだ。(この「制覇」に、固定クエストのような撤退禁止の縛りをシステム的に入れることも、たまにはした方が面白いかもしれないが。)

そして、一度制覇したフロアの敵やアイテムは相当長期間にわたって(あるいは永久に)再生しないことにするならば、ダンジョンの各フロアには必ず強敵もしくは多数の敵に守られた「最深部」が存在し、そこには何か良いものが置いてある、というような演出も、アイテム供給のバランス的には十分可能になるはずなのだ。
こういうダンジョンの方が、次々と生成されては選り好みされ捨て去られる現在の*bandのダンジョンよりも、ずっとリアリティがあって面白くはないだろうか?

このようなダンジョンのシステムを実現するためには、ダンジョンの名前、ダンジョンの階層、ダンジョンの特徴などの d_info 記載事項をランダムに決定し、また、ダンジョンの配置を含む地上のマップをランダム生成する機能が必要になるだろう。そしてそれに引きずられる形で、街をランダム生成する機能も必要になると思われる。

今夜はもう疲れたので、これについてはまたいずれということで。

 某所のツッコミへの返信(追加)

一つ抜けてました。

>747 :名@無@し:2007/04/22(日) 20:48:59
>>また、ブラックマーケットを利用したスカムはひどくゲームをつまらなくするが、
>たいていの人はそんなことはやらないと思うし、やらなければ別に害があるわけではないので、
>別に深刻な問題ではないだろう。むろんこのスカムは封じるべきものではあると思うが。
>と書きつつもスカムとか効率最優先の型にはまったプレイをすることを前提に話をするのはどうかと

非常にごもっともなツッコミです。言葉がまったく足りてませんでした。
私の感覚だと、BMスカムが可能であるということは、ちょっとした想定漏れというかセキュリティ・ホールというか、偶発的な事故のようなものだと感じられるのです。
しかし、例えば龍窟スカムが可能であり、有力な戦略でもあることは決して偶発的な事故ではなく、*bandの本質に深く根ざしたものであると思われるのです。なぜなら、好きなだけダンジョンを再生成させることができるというのは、まさに現状の*bandが*勝利*可能なゲームとして成り立つために絶対に必要な仕様であり、その仕様は、突き詰めればダンジョン出入り型のスカムをやるためにあるようなものだからです。
こんな説明で納得していただけたでしょうか? もしご意見や疑問がおありでしたら、ぜひこの記事にコメントをください。

 某所の某スレに捕捉されてた

日曜日オワター

というわけで、酒を飲みながら某所を覗いたらここがヲチされていたので、驚愕して酔いが醒めた。まだ書き始めて二日しか経ってないし、誰にも宣伝してないのに。皆さんいつもブログ検索とかしまくってるんですか? もう少し書いたものが貯まってから、いろんな人のブログとかに遠慮がちに宣伝したり、誰も相手にしてくれなかったら、第三者を装ってRDL2の登録申請したりしようかと思ってたんですけどね。

とにかく、いただいたツッコミについてここで返答しておきます。本当はあっちに書き込むべきなのかもしれないけど、あっちだと本当に私が書いたものかどうかわからないので、避けておきます。ここの記事に関して私があっちに書き込んだことは今までもないし、今後もないと思うので、ご了解願います。あと、本当はここの話題についてはここにコメントをいただけると、すごくありがたいです。批判、ツッコミ歓迎ですので。(理不尽な叩きは嫌だけど。)

>738 :名@無@し:2007/04/22(日) 20:21:16
>批判から入る奴にかぎって大した結果を出さずに笑われるという伝統を踏襲するだろうなw

頼むから、一部分の引用じゃなくてここの記事の本文を読んでください。(ここで言ってもしょうがないんだけど。)
私は決して、「批判から入」ってはいないつもりです。でも、大した結果を出さずに笑われるというのは、その通りかもw

>739 :名@無@し:2007/04/22(日) 20:22:44
>>>734(私の固定クエスト批判の文章の引用)
>それはあくまで上手い人の意見でしょ。
>最初からそうは思わなかったはず。
>上達して簡単になっちゃったから難しくしろってのは、気持ちは分かるけど正しくはないんじゃないかな。

なるほど。言葉が足りていませんでした。というか、734で引用された固定クエスト批判の文章は、攻撃的過ぎたと思って今では後悔しています。
私は固定クエストをなくして難しくしろと言いたいわけではなく、必要なレベルや耐性や加速や攻撃力を入手する手段は、固定クエストの報酬というようなパターン化された形ではなく、もっと具体的に予測できない、わくわくするような形で与えられるべきだと思っているのです。この点については、今後より詳しく書いていきたいと思っています。

>740 :名@無@し:2007/04/22(日) 20:23:32
>ttp://d.hatena.ne.jp/inziladun/
>こいつか。自称 違いがわかるゲーマー

宣伝ありがとうございます。でも、「自称」なんかしてないってば。違いが分かるゲーマー「に」って書いてあるでしょ、「に」って。

>741 :名@無@し:2007/04/22(日) 20:35:39
>>>734
>その辺はプレイヤーが縛りを入れる事や、
>目標を変える事によって充分に解決できると思う。
>
>最近思ったんだけど、変愚においての『混沌のサーペント』の存在というか、
>位置付けは終盤のプレイをつまらない物にしている気がする。

ほう。できれば詳しく補足を希望。もし読んでくださっているなら、この記事にコメントをいただければ嬉しいです。
私は、大部分のRoguelikeに「最終目的」があること、そしてその最終目的が、プレイヤーキャラクターの能力の限界(例えばレベルキャップ)との関係でそれなりに難し目であることは、Roguelikeのプレイをむしろ面白いものにしていると感じています。それは、変愚蛮怒の『混沌のサーペント』についても同様。もしも『混沌のサーペント』を倒すという目標がなかったら、Zangや変愚のやめ時は「飽きてQy@する」しかなくなるわけで、それはあまり好きじゃないなあ、と思います。

>742 :名@無@し:2007/04/22(日) 20:40:30
>読んできた
>ちょっとばかりそこの方は廃人思考に見える
>そんなクリア一直線に定石にそって進むばかりがローグライクじゃないよね
>というかそんなプレイスタイルだから面白くないんじゃないかなあ…
>
>ま、何か作るみたいだから言っただけのモノが出てくるのを期待

んんん、なかなか意図は伝わらないものだなあ。私は個人的には、塔スカムはしないし、クローンを失敗したからといってQy@したりはしません。クリア一直線の効率重視のプレイスタイルは大嫌いです。Zang以後の固定クエストとその報酬について私が批判したいのは、それが明らかにプレイスタイルの多様性を狭める方向にプレイヤーを強力に誘導している、ということなんです。
「何か作るみたいだから……」については、そのうちに補足説明をします。あまり期待しないでください。

>746 :名@無@し:2007/04/22(日) 20:45:52
>つか、1遊戯者に健全かどうかまで決める権利はないだろ・・・。
>楽しんでる人が沢山いるゲームなんだし。
>まあ俺も生温かく観察。こういう人がいいもん作った試しがないんで期待はしないが。

>754 :名@無@し:2007/04/22(日) 22:16:34
>自分の好み通りじゃないから不健全て言い草はなんだかなぁ。

これについては、正直スマンカッタ。先にも書きましたが、734で引用されている固定クエスト批判の文章は、攻撃的過ぎたと今では後悔しています。「不健全」という言葉で私が言いたかったのは、せっかくのRoguelikeゲームとして汲み取るべき伝統や進むべき方向性から逸脱しているのではないか、ということです。こういう言い方もまた、不愉快に感じられるかもしれませんが……

>749 :名@無@し:2007/04/22(日) 20:51:25
>オプションで切れるじゃん

「元祖の町/クエストと荒野なし」モードのことですね? これについても、言葉が足りなかったと思っています。私は、別に固定クエストをなくして難度を上げたいわけではないのです。むしろ望むのは「元祖の町/クエストと荒野なし」モードの逆の方向性なのですが、それについては今後書いていきます。

>751 :名@無@し:2007/04/22(日) 21:56:15
>Vには固定クエストなんかないんだけどな

それぐらい知ってるYO! 私はかなり気をつけて「Roguelike」と「*band」と「Zangband以後」を使い分けているつもりです。どこかにミスがありましたっけ?

>755 :名@無@し:2007/04/22(日) 22:30:09
>>モンスターとアイテムが詰まったランダムな面積(笑)の
>>長方形の部屋を制圧し、廊下を歩いて次の長方形の部屋へと
>>移動することを繰り返すゲーム。
>
>それ、なんて不思議のダンジョン

ご指摘の通り、それ系のゲームを馬鹿にした発言です。気に障ったとしたら失礼。

以上、読んでくれた方、ツッコミをくれた方、どうもありがとうございました。今後はここに直接コメントしてくれたら、より嬉しいです。

 Roguelikeの定義とは?

もうすぐ日曜日が終わる\(^o^)/

というわけでこれまでの記事では、

  • 蓄積が重要になる*band固有のゲーム性
  • *bandの「使い捨てダンジョン」問題
  • ランダム生成コンテンツはうまくいけば作り付けのコンテンツよりも面白いはずだということ
  • 最近の*bandバリアントの固定要素の功罪

などについてつらつら書いてきたわけだが、このあたりで、これまで主題的に触れてこなかったRoguelikeの特徴について、落穂拾い的にコメントしてみたい。

Wikipedia日本語版の「ローグライクゲーム」の項には、ローグライクゲームの主な特徴は以下の7点だと書いてある。

  1. 文字による情報表示
  2. 文字によるコマンド入力
  3. ランダム生成ダンジョン
  4. ターン制の戦闘システム
  5. 恒久的な死
  6. スコアランキング
  7. 食糧問題

なるほど。

このうち、「食糧問題」と「ランダム生成ダンジョン」とについてはすでに触れた(つもり)。慢性的な食糧不足による前進の強制と、ダンジョンがランダム生成される回数やタイミングは、本質的なゲーム性を左右するポイントなので、私の考えではこの二点がRoguelikeの最も重要な特徴だということになる。そして、この点に関する考え方如何によっては、Moriaや*bandの系列は丸ごとRoguelikeではなくなってしまうということにもなるわけだ。

文字による情報表示

次に、「文字による情報表示」っていうのも良く言われる点だ。じゃあZangbandをタイル版にした瞬間にRoguelikeじゃなくなるのかとか、NetHack Vulture's EyeはRoguelikeじゃないのかとか、くだらないことも言いたくなるわけだが、ここはぐっとこらえて、なるべく深い意味を汲み取るように努力しよう。
そうすれば、ここで問題にされているのが「情報の表示量・密度」と「見下ろし視点」に関する仕様だということに気づくだろう。(本当か?)
Roguelikeゲームではプレイヤーは常に@の四方八方に気を配っていなければならないから、なるべく広い範囲を高密度で、神のような視点から俯瞰できる必要があるわけだ。これは特に、戦闘系のゲームである*bandに強く当てはまる。この広い範囲を高密度で一覧できなければならない、というニーズを満たすためには、ASCIIテキストやごく小さなタイルが便利と言えば言えるだろう。
ただこれも別に絶対の制約というわけではなく、Zangband Tkみたいに「メイン」画面と「レーダー」画面を分けるとか、トルネコの大冒険みたいにメイン画面の上に全体マップを半透明に重ねるとかすれば、大型のキャラクタグラフィックを導入することもできなくはないだろう。どの程度プレイしやすいかは分からないけれど。

ではさらに考えを進めて、Wizardryみたいな一人称視点のRoguelikeは作れないものだろうか? これは難しい。しかし絶対に不可能でもない気がする。例えばEverQuest(一人称視点のMMORPG)のレンジャーのスキルに、たしかTrackingというのがあった。これを使うと、周辺にいるモンスターやNPC一体ずつの種類と方向とだいたいの強さが一覧表みたいに整理されて表示されるのだが、Roguelikeでも感知したモンスターがこのリストに載り、さらに正確な距離までわかるならば、何とかプレイできるかもしれない。もっとも大前提として、「斜め移動」や「斜めの視界や斜線」がうまく実現できればだめだから、Wizardry方式では苦しいか。

などと書きながら思ったのだが、今ある俯瞰視点のRoguelikeでも、カーソルを一体ずつに合わせなければそのモンスターの詳細情報が見られないという仕様は面倒くさい気がする。そのせいで、見習いプリーストか何かだと思って殴ったらケンシロウ君だったり、盗賊だろうと思ったらケインだったりして慌てるわけですよ。このEQのTracking方式の一覧表というのは、意外と使えるアイディアかもしれない。

最後に付け足しておくと、「文字による情報表示」には、抹殺の指定がやりやすいとか、Zangband以後で「名状しがたい」クトゥルフ系の奴らを表現するのにかえって好都合だとか、そういうごくプラクティカルなメリットもありますね。

ターン制の戦闘システム

リアルタイム制にしてしまうと、どうしてもシミュレーションの緻密さや戦略の複雑さが損なわれることになるのではないだろうか。むろん計算機の性能の限界によってではなく、人間の情報処理能力や反応速度の限界のせいで。
たとえば、四方八方からたくさんの敵が様々なアクションを投げかけてくるとして、それをどうリアルタイムで人間に提示することができて、人間はそれに対してどうリアルタイムで反応すれば良いのか? 現在のRoguelikeの複雑性レベルを下げずに、妥当な解決を見出すのは難しい気がする。

実際、戦闘空間と探索空間とが断絶しておらず、また当面の敵とそうでないものとも断絶していないのいうのは、Roguelike(特に*band)の面白さをもたらす重要な特徴だ。これは、まさにdungeon simulatorとしての本質部分である。例えば、アイスボールを敵に当てたら、「物理演算」によるシミュレーションの結果として、隣の床に落ちている生命の薬も割れてしまうし、余波でダメージを受けたガンダルフも怒って襲ってくる。光で照らした部屋の壁に穴が開いていたせいで隣の部屋にも光が漏れて、寝ていてもらいたかったモンスターが起きて襲ってくるかもしれない。
こういう緻密なシミュレーションの犠牲の上にリアルタイム性が導入され、戦略性よりもむしろ反射神経や指先の器用さが重要になるならば、それはRoguelike固有の面白さからは遠い、別種のゲームに近いということになるだろう。

そういう意味において、「ターン制の戦闘システム」はたしかにRoguelikeの重要な特徴の一つだと思う。

恒久的な死

一度死んだ@をプレイヤーが任意に復活させることができるとしたら、それは確かに興ざめであり、Roguelikeとは違うゲームになってしまうだろう。ローグライカーに必要な「工夫」も「蓄積」も不要となり、場当たり的な特攻とセーブロードを繰り返していれば、いつかはクリアできてしまうのだろうから、そんなゲームは面白くも何ともない。

しかし、復活が任意でもなく、超法規的でもなかったとしたらどうか。例えば、「反魂の術」を使えるペットなり仲間なりを連れていて、@が死んだときに死体か骨が残り、そしてペットなり仲間なりが「反魂の術」を試み、そしてその魔法が成功した場合には、@は耐久力を1失うがみごと復活できる、みたいなのはまずいだろうか?
こういう復活が可能なゲームを是非やりたいかと問われれば、別にそうでもないが、しかしこれが可能だからといって、RoguelikeRoguelikeでなくなってしまうほど本質を損なうという気も、別にしない。何か問題はあるかな?

その他

残りの「文字によるコマンド入力」と「スコアランキング」というポイントについては、特に言うべきことも思いつかないので割愛します。手抜きで失礼。

 *bandにおけるランダム要素と固定要素

TRPGにはサイコロが必需品だし、どんなコンピュータRPGでも、少なくとも戦闘部分の命中判定やダメージ決定には必ず乱数の要素が含まれているはずだ(と思う)。Roguelikeが独特なのは、ダンジョン地形の生成、モンスターの配置、アイテムの配置、そしてバリアントによってはアイテムの性能にまで、ランダム性が作用するという点である。

そしてこのランダム性こそがRoguelikeの最大の魅力の一つであることは、異論のない所だと思う。もっとも*bandのようにプレイヤーが恣意的にダンジョンの再生成を繰り返せる仕様だと、ダンジョンの存在感が薄くなるし、スカムが有力なプレイ戦略になってしまう、という問題について別の記事で指摘した。しかしそれは「ダンジョンのランダム生成」という仕様自体の是非とは別の話である。ダンジョンがランダム生成されることは、わくわくするようなゲーム体験をもたらす、非常に素晴らしいゲームシステムだ。

ランダム生成がうまく機能するためには、ランダムの質が重要

まぎらわしい言葉遣いだが、上の行で言うランダムの質というのは、擬似乱数の品質とかそういう意味ではない。そうではなく、「何かをランダムに生成するアルゴリズム」というのは、良くできていれば、そのアルゴリズムの作者自身にとってすら驚きと喜びをもたらすような興味深い結果を創造してくれるものだが、出来が悪ければ、誰にとっても興ざめな、いかにもテキトーにでっち上げたような結果しか吐き出してくれないものだ、ということを言いたいのだ。

例えば*bandの迷宮生成アルゴリズムがどれほど優れているか、気づかないだろうか? この迷宮の質の高さがあってこそ、*bandは戦闘を主体とするダンジョンシミュレーターとして成立することができているのだと私は思う。
部屋の大きさや形、配置、入り組んだ迷路部分と単純な部分との面積割合、モンスターやアイテムの配置密度とその偏り。そしてアリーナフロアや非常に小さいフロア、水辺フロア、森林フロア、城、洞窟、山などのヴァリエーション。さらに、nest、pit、vaultなどのレアなパターン。どれを取っても絶妙と言うほかない。
むろん、部屋の大きさや形のヴァリエーションをもっと増やしてもらいたいとか、退屈な階が生成される割合を減らしてもらいたいとか、なんらかの不満に基づいた拡張や改善の要求はいくらでも挙げることができるだろう。しかし、*bandの迷宮生成アルゴリズムの出来がもっと本質的に悪かったとしたら、我々がどんなプレイ体験をすることになったか、想像してみたことはありますか?

  • メリハリがなくうっとうしいだけの入り組んだ迷路の中をひたすら歩き回って、16平方マスに1体程度の割合(笑)で均一に配置されたモンスターを倒し、アイテムを拾うゲーム。
  • モンスターとアイテムが詰まったランダムな面積(笑)の長方形の部屋を制圧し、廊下を歩いて次の長方形の部屋へと移動することを繰り返すゲーム。

こんなゲームをやらされるぐらいなら、曲がりなりにもデザイナーが知恵を絞って考えた作り付けの固定ダンジョンを攻略した方が100倍マシである。これは何もダンジョンの生成に限ったことではないはずで、ゲーム体験に関する一般論として、

出来の良いランダム生成>>>(越えられない壁)>>>出来の良い作り付け>>>出来の悪い作り付け>>>>>(越えられない壁)>>>>>出来の悪いランダム生成

という序列が成り立つものと思われる。繰り返すが、出来の良いランダム生成アルゴリズムは、そのアルゴリズムの作者すら想像もできなかったような、喜びと驚きに満ちた結果を生み出してくれるものなのだ。

固定要素の功罪

.*bandは優れたランダム迷宮生成システムを持つとは言え、それ以外の多くの要素は作り付けの固定のものである。ここでは*bandに出てくる固定要素について、主に変愚蛮怒を念頭に置きながら、その功罪と、問題があるとしたら改善の方向性とを考えてみたい。

(1)街
街の名前、場所、構造、施設はすべて固定である。町の名前や場所や構造は、もしゲームごとにランダムに生成されるとしたら、面倒だけど楽しいかもね、という程度でゲーム性にあまり大きな影響はないが、街の施設については、各種の店、ギルド、家、ブラックマーケット、モリバントのトランプ魔術の塔、ズルのカオスの塔(突然変異の治療)、ズルの自然魔術の塔(平衡化の儀式)など、ゲームに大きな影響を与えるものが多い。

変愚蛮怒では特別な施設以外はすべての街に同じようにそろっているのだが、しかし店の商品には在庫数の概念があって一時的な品切れが発生しうるため、例えば「致命傷の薬」を補充するために複数の街を回らなければいけなかったりすることはある。しかし、$500の金を払えば街の間の移動は一瞬でできるので、よほど序盤でもない限り、街ごとの店の在庫状態は、多少の面倒を生むだけで、あまりゲームに実質的な影響を与えはしない。このように店の在庫については街ごとに別管理しているにも関わらず、「我が家」に置いてあるアイテムや「博物館」の展示品は、なぜか各街の間で共有される仕様になっており、正直、街の施設について変愚蛮怒がどういう方向性を目指しているのか、はっきりしない感がある。
これはモリバントやズルの特殊施設についても同様で、ズルへ行くのには$500の瞬間移動も街移動の魔法も使えず、歩いていかなければいけないのは確かに面倒だが、ではそれが突然変異治療の深刻な障害になるかと言えば、別にそんなこともなく、これについても正直ゲームプレイの面からはあまり意味のない仕様になっている。街の個性化あるいは雰囲気作りという面からは、まあ悪くはないかという程度だろう。
また、ブラックマーケットを利用したスカムはひどくゲームをつまらなくするが、たいていの人はそんなことはやらないと思うし、やらなければ別に害があるわけではないので、別に深刻な問題ではないだろう。むろんこのスカムは封じるべきものではあると思うが。

街の固定要素についてまとめると、現状の変愚蛮怒の仕様は可もなく不可もない。雰囲気を重視して街ごとの個性といったものを打ち出そうとするならば、それがプレイの利便性をどの程度損なうのかを良く見極める必要がある。プレイの利便性を大きく損なってでも町の個性化を優先するのであれば(たとえば、この街には薬を売る店がないし、違う街に簡単に移動する手段もない、とかいうような状況を作るのであれば)、それが単なる嫌がらせあるいはイメージ先行デザインに終わらないように、ゲーム全体のシステムや志向性を設計する必要があるだろう。そしてそれは少なくとも、今の*bandとはだいぶ異なったデザインになると思う。

(2)ダンジョン
ダンジョンの中身は自動生成されるが、ダンジョンの名前と場所と特徴は固定である。このおかげで「反攻スカム」や「龍窟スカム」という味気ない行為が可能になってしまい、しかもそれが極めて有力なプレイ戦略になってしまっている。だから私はダンジョンの位置と特徴はランダム化すべきだと考える。例えば、龍窟のような都合の良いダンジョンは、どこにあるかわからないし、この世界には存在しないかもしれない、という風に。
反攻スカムや龍窟スカムができないことにもし問題があるとしたら、その問題をこそなくすべきである。要は、反攻スカムや龍窟スカムをやるか、退屈な城30Fを延々と探索するか、という楽しくない二者択一から脱却したいのだ。

またこれは街についても言えることだが、TOMEでは「古森」、「塚山丘陵」、「ゴンドリン」、「ミナス・アノール」、「ロスロリエン」、「アングバンド」など、街やダンジョンの名前が、それぞれの場所や特徴にふさわしいミドルアースの地名から取られている。というか本当は順序が逆で、ミドルアースの地理に基づいてTOMEの世界がデザインされているわけだ。この路線は明らかに「ダンジョンや街のランダム生成」というアイディアとは両立しないので、別の道を歩むしかないですね。どちらが面白いかは、、、まあ好みによるかな。「ランダムの質」さえ高ければ、ランダムの方が面白いと私は思うけどね。

(3)ユニークモンスター
ユニークモンスターの名前とスペックは、すべて固定である。まあこれは、何代にもわたる@の死を積み重ねながらモンスターの思い出を蓄積していく、という*bandのゲーム性の根幹に関わる部分なので、少なくとも*bandの仕様としては良しとしよう。固定のユニークモンスターは決まりきっていてつまらないから、廃止して全部ランダムにしようと言うならば、それはもはや*bandではない別のゲームである。本当は、例によって「ランダムの質」さえ良ければそっちの方が面白いと私は思うのだが。まあ*bandの枠内に留まるにしても、固定のユニークモンスターの他にさらに「ランダムユニークモンスター」なんていうのがいても面白いかもしれない。

また、私がユニークモンスターについてさらに問題だと思うのは、変愚蛮怒では多くのユニークモンスターが、特定のユニークアイテムをあまり低くない確率で落とすことである。特に、★進化する銃『クリムゾン』、★狂気の夢想家ブランドのライト・クロスボウ、★インカヌスのローブ、★真世界アンバーの金の冠、★審判の宝石などは、プレイをパターン化させるというデメリットが大きいと思う。要するに、アーチャーやレンジャー以外の終盤って、たいていブランド弓かクリムゾンを装備してませんか?ってことです。これは全然Roguelike的ではないし、Roguelike的でなくても別に良いんだけど、何よりあまり面白くないと思う。
むろん、ユニークモンスターがそれに関係するアーティファクトを落とすということが、雰囲気作りに貢献していることは間違いないので、この要素をなくしてしまうのは惜しい。しかし、それが実現できるかどうかはともかくとして、ランダムな結果をもたらすアルゴリズムによって、人間の作為が可能である以上に素晴らしい結果を生み出す、という方向性こそが、Roguelikeそして*bandの系譜に連なるゲームが誇りを持って歩むべき道なのではないか。

(4)アーティファクト
固定アーティファクトの功罪については、上でユニークモンスターについて述べたこととほぼ同じである。固定アーティファクトを全廃してすべてランダム化するとしたら、それはもはや*bandではなくなるだろう。ランダム性が大好きな私でさえ、★ロングソード『リンギル』の解説に「かつてモルゴスは期せずしてこの剣に対峙し深い傷を刻み込まれた。彼はこの剣の力を再び思い知ることになるだろう」と書いてあるのを読むと、胸が熱くなってくる。

だが、「最終装備」として完全に定番化してしまっている固定アーティファクトの数々があることを思うと、やはりRoguelikeの系譜に連なるゲームが進むべき方向はそちらではないはず、という思いはぬぐい切れない。ランダムアーティファクトのみによって、固定アーティファクトにも劣らないだけの歴史と感慨とをプレイヤーに感じさせることは本当にできないのだろうか?(これは反語表現ではなく、本当に私にも答えが見えていない疑問文です。)

(5)クエス
大部分の方に同意していただけるものと思うが、私は変愚蛮怒の序盤をプレイしている時にはゲームで遊んでいる気がまったくしない。では何をしている気がするのかというと、「作業」である。

盗賊クエスト、ワーグクエスト、オーククエスト、下水道、破滅のクエスト1、柳じじい、ダークエルフの王、ミミックエスト、テングとデスソード。

この間の楽しみといえば、全耐性かエルフでも落ちてないかなあ、とか★か☆でも落ちてないかなあ、という程度であって、何から何まで型にはまり切っている。で、ようやく序盤のルーチンを終えてスピードの薬がたまったら、次に何をするかというと、「ログルス使い」をパスして「宝物庫」からつらぬき丸を持ち逃げですか? その次は「塔」スカムですか? そしていよいよ「クローン地獄」ですか? ランダム配置モンスターが事故っていてクローン地獄の達成に失敗したら、Qy@ですか?

やれやれだ。Roguelikeとは、そして*bandとは、もっとはるかに自由なゲームだったはずだし、そうでなければならない。
内容と報酬が固定されたクエストは、絶対になくすべきだ。私としては、何もクエストシステムを全否定したいわけではなく、クエストの内容と報酬とが決まっていることによって、プレイがひどくパターン化されてしまうこと(かなり具体的に細かいところまで予測可能になってしまうこと)が問題だと思っているだけなのだ。ランダムクエストはそれなりに面白い(クエスト内容にもっとヴァリエーションが豊富ならばより良いが)と思うし、固定クエストについても、撤退が許されないがゆえに、*bandでは珍しいプレッシャーというか切迫感を感じることができるという点については、高く評価している。
しかし、★つらぬき丸や★シヴァの化身の軟革ブーツがああいう形で手に入ってしまい、それが標準みたいになってしまうのは絶対に健全な姿ではないし、健全でなくても別に良いんだけど、何より面白くない。わくわく感がないのだ。

 「使い捨てダンジョン」の問題について

Roguelikeの中の*band」の記事で触れたことのうち、「ランダムに生成されるダンジョン」という話題を出発点にして、すこし掘り下げて考えてみたい。

Rogueのランダムなダンジョン

Rogueでは、新たなゲームを始めるたびに違うダンジョンが生成されるという仕様になっていて、これはRoguelikeに分類されるゲームすべての最も重要な特徴だとされている。ゲームごとにダンジョンの構造が変わるのにともなって、当然モンスターの配置も変わるし、これは当然というわけではないが、アイテムの不確定名(「青い薬」とか)とアイテムの効果(「癒しの薬」とか)との結びつきも、ゲームごとに変わることになっている。

なぜこういう仕様になっていると思いますか? それはもちろん、何度でも緊張感を持って飽きずに遊べるようにするためですよね。ここには何の疑問もなく問題もないと思う。

Moria-*bandの不思議なダンジョン

Moria-Angband系のゲームが、RogueNetHackDungeon Crawlと大きく異なる点は、そしてLarn、Omega、ADOMなどのマイナーなRoguelikeに似ている点は、ゲーム中にダンジョンから出てまた入ることができる、ということだ。そしてMoria-Angband系のさらに重要な仕様は、一度ダンジョンから出て再び入ると、そのたびにダンジョンの中身がクリアされて再生成される、ということである。(実は私はMoriaをやったことはないので、Moriaについては噂レベルの又聞きにもとづいて書いている。)

なぜこうなっているのか

これは、なぜこういう仕様になっているのだろうか? 「ダンジョンに戻るたびに中がどうなっているか分からない、という緊張感を持って遊べるようにするため」というような方向性の答えは、たぶんハズレである。私が思うに、これは以下のような必要性に由来するデザインなのだ。

  • Moriaや*bandは、堅実なプレイによる蓄積を要求する長丁場のゲームなので、RogueNetHackのような「どうやっても死ぬときは死ぬ オワタ \(^o^)/」というようなノリは受け入れられるものではない。多大な労力を費やす以上、プレイヤーがミスさえしなければそれに見合った*勝利*の可能性は常に用意されている必要がある。
  • アイテムを入手する機会が有限だった場合、乱数のいたずらのせいで「50階まですべての階をがんばって探索したけど、いまだに麻痺耐性も盲目耐性も埋まらないしACも紙だし攻撃も蚊」とかいう状況になってしまうかもしれない。そんなことになったらもう生き延びること自体が難しいし、そこから事態を改善することも難しい。つまり、Moriaや*bandでは決して起こってはならない「ハマリ」状態ということになってしまう。
  • だから、プレイヤーキャラクターがアイテムを入手したり能力を強化したりするチャンスは、有限ではなく無限である必要がある。
  • プレイヤーキャラクターに無限のチャンスを与える最も簡単な方法は、ダンジョンのランダム生成処理をダンジョンに入るたびに毎回走らせることだ。よし、そうしよう。

上記は私の単なる想像なのだが、それほど的外れでもないと思っている。

不思議なダンジョンの帰結:「使い捨てダンジョン」

私は*bandが本当に大好きなのだが、実に惜しいと思うのは、ダンジョンの存在感というか実在性が限りなく薄いことだ。たとえば「鉄獄」という名前が付いたダンジョンの入り口は、マップ上のある位置の「>」として確かに実在するのだが、その「鉄獄」に中身が存在するとはどうしても思えない。
たとえば、ある時鉄獄の75階のマップを隅から隅まで探索して、すべての敵を倒してすべてのアイテムを鑑定したとしても、あるいはその時の75階のマップが気に入らなくてすぐに帰還してしまったとしても、次に75階に帰還した時には、どうせ前回探索したのとは無関係のマップに飛ばされ、前回の探索はその後の鉄獄に一切何の影響も与えない。こんな性質は、実在するダンジョンのあり方として受け入れられるものだろうか?
ダンジョンがこのように「使い捨て」仕様であるせいで、一面では単純作業としての「スカム」が有力なプレイ戦略として台頭してしまい、他方では、その不合理さゆえに*bandのダンジョンや世界に対する思い入れが妨げられる結果になっていると私は思う。

脱線(*band世界の合理性)

この不合理という点については、たとえばBeolinelied内の小説(面白い)では、無限の枝道を持つ巨大な迷宮であるがゆえに二度と同じ場所には戻れない、という設定になっているが、やっぱりその説明には無理がありますよねえ。
アングバンドやウトゥムノ級の巨大要塞なら、確かに無限の枝道を持つかもしれない。モリアやアイゼンガルドも、まあそうなのかもしれない。でも、変愚蛮怒の「イークの洞窟」とかにも無限の枝道があるんだろうか。仮に無限の枝道があるとしても、地上から地下50フィートまで歩いて下る時ぐらいは、さすがに同じ場所に出ることだってできるだろうと思うんですが。
まあ良いや。*bandが異世界ファンタジーのゲームである以上、こういうゲーム世界内の合理性や雰囲気の一貫性というのはそれなりに大切だと私は思うが、仮にこれを気にしないとしても、ダンジョンへ入るたびにマップが自動生成されるせいで、スカムが有力な戦略になってしまっていることは間違いないだろう。

TOMEの不思議じゃないダンジョン

おそらく上で述べたような問題意識からだろう(ちゃんと調べたわけではないので、全然違う理由からかもしれないが)、TOMEの最近のバージョンでは、permanent_levels(固定のダンジョンを生成する)というオプションが「実験的」という扱いながらもついている。このオプションをONにすると、ダンジョンに入るたびにダンジョンの地形が再生成されるということはなくなる。
しかし上で指摘したように、ダンジョンの再生成という仕様は、Moria-*bandの本質的なゲーム性やシステム全体に深く根ざしたものなので、残念ながら小手先の改変では、それにともなっていろいろと重大な弊害が出てしまうことは避けられないと思われる。
実際、TOMEのpermanent_levelsオプションをONにすると、同じvaultを何度も攻略できてしまったりするようだ。(これは、「地形の生成や保存」と、「モンスターやアイテムの生成や保存」に関する仕様とゲームバランスに関する本質的な問題。)
やはり「使い捨てダンジョン」の問題は、オプションを一個追加するといったやり方ではなく、もっとずっと本質的なやり方で解決する必要があるのだ。

ではどうすれば良いのか

以下に書く内容は、新ゲームシステムの構想(妄想)に分類すべき内容なので、いずれ違う記事でより詳しく扱いたい。

  • 一度探索したフロアは、少なくとも地形については、その状態が非常に長期間にわたって(あるいは永遠に)保存されるべきだ。
  • 一度攻略されたダンジョンのモンスターやアイテムは、もし再び生成されるならば、比較的長い時間の経過とともに、自然に増加してゆく形をとるべきだ。(そもそも再生成しなくても良いと思うが。)
  • プレイヤーキャラクターにアイテム獲得や能力向上の機会を多く(あるいは無限に)与えるために、世界内に非常に多くの(あるいは無限の)数のダンジョンを用意すべきだ。それらのダンジョンの位置や名前や特徴もランダムに決まるのであれば、より楽しい。
  • むろん、ランダム生成される意味があるくらい、それぞれのダンジョンが、際立った個性と興味深さとを備えていなければならない。これが達成できないと、ルナティックドーンになってしまうので悲惨だ(アートディンクさんごめんなさい)。